MMT(現代貨幣理論)とは?日本語と英語で要点整理

投稿者: | 2020-04-20


MMTはModern Monetary TheoryまたはModern Money Theoryの略です。

様々な理論解説が行われていますが、どれも難解なものが多いため、ここでは誤解を恐れず簡単に一国を「田中家」に例え、要点のみ確認したいと思います。

<要点>
✓いくらでも自国通貨建てで国債を発行しても良い(財政赤字は気にしない)
✓国の債務は誰かの黒字(プラスマイナスゼロ)
✓インフレ率が国債発行を制限する

日本は政府と地方の借金を合わせるとGDPの2倍ほどに達しており、他国と比べてもかなり高い比率で問題視されています。ただし、ギリシャのように破綻せずにいるのは、「国債の約9割を国内で発行しているから」と言われています。

要するに、「外国から借金していないから、日本はつぶれない」わけです。

よって、MMTの典型として日本が取り上げられています。
自国通貨建てで国債をどんどん発行すれば、国は今以上にお金を使うことができます。コロナショックのような局面でも、どんどん家計にお金を配ることができそうです。よって、私たちの生活は潤い、日本も破綻しないし、良いことだらけですよね。といったところです。

インフレ率が国債発行を制限するというところが分かりにくいので、ある田中家という一家を例えに見ていきましょう。

田中家はお母さんが田中家で使用できる「田中円」という通貨を発行しています。お父さんは日々働き、お母さんからお小遣いをもらっていますが、お小遣いが少ないと最近文句ばかり言っています。

その結果、子供たちにもしわ寄せが。子供たちのお小遣いはお父さんから支払われるのです。そこで、「田中家全員がハッピーになるように」お母さんがどんどん「田中円」を発行し、お父さんにたくさんお金を渡し始めました。

お金を発行するお母さんと受け取るお父さん。田中家の中ではプラマイゼロ。気を良くしたお父さんは、子供たちのお小遣いもアップ。子供たちもご機嫌です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で「STAY HOME」、自宅で過ごす時間が多い田中家ですが、元気な次男坊が毎日スーパーなどに買い出しに行き、その商品を家族に販売するようになりました。

特に高齢で感染リスクの高いおじいちゃんやおばあちゃんは大変助かります。孫が毎日開く「お店屋さん」で商品を購入するようになりました。次男坊はどんどんお店屋さんが楽しくなりました。

お母さんが、田中円を増やせば増やすほどお父さんがご機嫌になり、次男坊のお小遣いもアップします。祖父母のみならず、お兄ちゃんやお姉ちゃんも、次男坊のお店でたくさん買い物をしてくれるように。

次男坊は色気が出て、もっと稼ごうとします。少しずつ商品の値段を上げるようになりました「だってみんな買ってくれるし」。と値上げを続けていると、年金生活の祖父母はあまり商品が買えなくなります。兄姉からも不満が。よって、お母さんは田中円を発行するのを抑えるのです。

たくさん田中円を発行しているのが悪い。ということになるのです。

これが3つ目のポイントです。インフレ=物価上昇が国債発行を制限することになります。

日本は長らく、インフレの逆、デフレ(物が売れず物価が下落)に苦しんできたわけで、年2%程度の物価上昇を目指している今、どんどん国債を発行して、市中に資金を供給すればいいのでは?という考え方になります。

MMTを支持する人をMMTerと言うそうです。
もちろん、「どんどんお金を刷れ」といった大胆な理論であり、批判する人も多いのです。例えば日本は財政法5条で日銀が直接政府の国債を引き受けてはならないとしている点など、様々な観点から指摘されています。

言葉足らずの点はありますが、簡単にお伝えするとこういうことでしょうか。

MMTに対する批判意見に触れることでさらに理解は深まります。MMTが正しいかどうかといったことは学者等の間で議論されるべきで、私たちはそれはさて置き、経済全体を勉強するということに主眼をおけば、MMTを勉強することは大変有益だと思います。今までの理論と新しい考え方。それらを対比することで、一気にマクロ経済の世界に入り込んでいけそうです。

投資に関するサイトInvestopediaでは以下のような記述があります。

In essence, MMT says that fiscal policy is a preferable way of managing the economy than what we typically call monetary policy.

https://www.investopedia.com/modern-monetary-theory-mmt-4588060

要約
要するにMMTは、財政政策の方が私たちが通常金融政策と呼ぶものよりも経済を管理するための好ましい方法であると述べています。

このように今までの政策よりも良いのでは?と主張するのがMMTです。

興味深い洋書もたくさんあります。
Modern Money Theory: A Primer on Macroeconomics for Sovereign Monetary Systems, Second Edition

同書は以下のように紹介されています。

This second edition explores how money ‘works’ in the modern economy and synthesises the key principles of Modern Money Theory, exploring macro accounting, currency regimes and exchange rates in both the USA and developing nations.

Modern Money Theory: A Primer on Macroeconomics for Sovereign Monetary Systems, Second Edition


要約
この第2版では、現代経済でお金がどのように「機能」しているのかということをMMTの重要原則と合わせ、米国と発展途上国の両方でマクロ会計、通貨制度、為替レートを確認しながら、その実態を探求する。

英語で読むとさらにタフですが、読み終えた後は数段パワーアップすると思います。日本語での解説本を読んだ後に挑戦するのもよいかもしれません。

コロナショックが世界を襲い、各国はスピード感のある対応が迫られています。かなりの規模の財政出動に、日本は大丈夫?米国は?と気になるところですが、そういった問題と向き合う上でもMMTの学習は有効だと思います。

Modern Money Theory: A Primer on Macroeconomics for Sovereign Monetary Systems, Second Edition

MMTとケインズ経済学

まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 (一般書)



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