MRFとは?
MRFを一言でいうと「証券会社の普通預金」のようなものです。
でも預金ではありません。
Money Reserve Fund ファンド(投資信託)の一種です。
証券会社は銀行ではないので、預金という仕組みがありません。ただし、投資家が入金して、どの株を買うか考えている間や、株を売却したけれども、しばらく引き出す必要のないお金の受け皿をMRFが担っています。
よって、ほぼ預金のような役割を担っているため非常に安全性の高い運用を行うファンドです。株式を一切組み入れない公社債投資信託の代表格で、過去元本割れをしたことはありません。
多くの証券会社では、そういった現金の受け皿として利用されているため、証券会社口座開設時にMRFの目論見書などを渡され、説明を受けることがあります。よって、投資初心者の人など、知らず知らずに自分のお金がMRFに回っているということも。
MMFとは?
MRFと同じく公社債投資信託です。よって、安全性は高い。
ただ、MRFよりはやや期間の長い債券を購入できるなど、少し高い利回りを目指すのがMMFです。
Money Management Fundの略です。
MRFに置きっぱなしでもいいけど、ちょっとでも利回りを高めたいという人がMMFを購入することも以前はありました。ただ、2001年の金融不安の際など元本割れも起こしています。そういったところがMRFとの大きな違いです。
そして、2016年にゼロ金利どころかマイナス金利という状況になり、安全性を追求しながらMRFより高い利回りをとるといったことが難しくなり、現在は販売されていません。
このMMF、もともとはアメリカのMMFを参考にして販売されたという経緯があります。ちなみに、分かりにくいのですが、アメリカのMMFはMoney Market Fund(マネー・マーケット・ファンド)です。
よって、日本国内でも外貨建てMMFという商品がありますが、この場合も「マネー・マーケット・ファンド」です。
アメリカでは預金代わりにMMFを使っているようです。よって、またまた分かりにくいのですが、アメリカのMMFは日本のMRFのような位置づけです。
最後に英文を紹介します。MRFのReserve Fund(リザーブファンド)はそもそも準備金といった意味があります。たしかに、現在、証券口座の中で、今は投資に回っていないけど、いつか購入するためのお金として”準備”している格好になっていますよね。
A reserve fund is a savings account or other highly liquid asset set aside by an individual or business to meet any future costs or financial obligations, especially those arising unexpectedly.
Investopedia
savings account : 預金口座
highly liquid asset : 高い流動性の資産
set aside : 確保する(サイドによけて置いておくイメージ)
obligation : 義務
arising unexpectedly : 予期せぬことが生じる
リザーブファンドは個人や法人が、将来の費用や支払い義務、特に予期せぬ事態のために確保している普通預金や流動性の高い資産のことを指します。
アメリカのMMFについては以下のような文言があります。
Money market funds should be used as a place to park money temporarily before investing elsewhere or making an anticipated cash outlay; they are not suitable as long-term investments.
Investopedia
マネーマーケットファンドは、何か他に投資したり、予定されている現金支出を行う前に、一時的にお金を貯める場所として使用されるべきで、 長期的な投資には適していません。
まさに、日本のMRFの説明のようです。
MRFと2つ表現のあるMMF、それぞれ分かりにくいですが、ザックリいうといずれも預金に近い位置づけで、MMFの方がややリスクを取っている分、過去に元本割れをしたことがある。こういった理解でよいと思います。
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