
相関係数とはいわば相性チェックです。
できるだけ相関性の弱い通貨や株式の銘柄などを組み合わせることでリスク管理を行うことができます。
相関係数は-1~1までの範囲となり、-1に近づくほど相関性が弱い(分散が図れる、逆の動きをしやすい)、+1に近づくほど相関性が強い(分散が図れない、同じような動きをする)ことになります。
なぜ-1から1の間で動くのか?
これは三角比のsin,cos,tanなど高校数学で学んだcos(コサイン)で説明できるのですが・・・
文系の私にとって、このあたりをうまく表現できません。そこで、ザックリ、以下、なるべく分かりやすくお伝えします。
まずAという銘柄とBという銘柄の相関係数を調べるため、Aを横軸に、Bを縦軸にとります。

毎日の株価の関係を調べて記録に残すとします。AとBが交差する点をゼロとして、Aが上昇した日にBも上昇すると以下のようにプロットされます。
A軸は右側がプラス(収益)、B軸は上側がプラス(収益)となるためです。数学のX軸とY軸と同じように考えてください。

その後、数日間、株価が堅調でA社とB社の株価がどちらもプラスだと以下のようになります。プラス(収益)の幅は日々、それぞれ違うため、多少バラついています。

その後、一転して相場環境が悪くなり、A社もB社も連日株価が下落すると赤い点のようになります。両方下落するため、左下に集中します。

そしてこれを線で表すと以下のようになります。中学生で学ぶ一次関数、y=ax+bです。その傾きaはプラスになります。よって、どちらも同じように動くときは相関係数はプラス側となるのです。

ではもうお分かりの人も多いと思いますが、Aが上昇した時にBが下落する、またはAが下落した時にBが上昇するという逆の動きをする時は以下のようになります。

Y=-aX+bのマイナスの傾きになりました。よって、それぞれが違う動きをしやすい時(相関性が弱い時)はマイナスになるのです。
厳密にはcosθが90°、180°、270°、360°の時の検証などをすると、プラス1~マイナス1の範囲内という理解も深まるのですが、高校数学より中学数学の方がわかりやすいので、上のように説明いたしました!
エクセルではCORRELという関数で求めることができます。以下はAとBの5日間の収益率で相関係数を算出してみました。

それぞれが同じような動きだったので、相関係数は0.9に。かなり相関性が高く、分散投資向きではありません。
テニスや卓球のペアもそうですが、苦手なところをパートナーが補ってくれることで強いペアになります。どちらも同じところが強く、同じところが弱いと、あまり良いペアにはならないと思います。
よって、リスクを分散したい場合は相関係数などをこのように調べてみてください。
例えば円高になると株価が下がりやすい自動車メーカー2社の相関性を調べると、おそらくプラスの相関性になると思いますよ。
FXで相関係数の弱い通貨ペアを2つ持つことで、変動リスクを抑えながらスワップポイントをコツコツ稼ぎたいという場合も活用できそうです。
では最後に相関係数について英文で確認します。
Correlation, in the finance and investment industries, is a statistic that measures the degree to which two securities move in relation to each other. Correlations are used in advanced portfolio management, computed as the correlation coefficient, which has a value that must fall between -1.0 and +1.0.
Investpedia
金融および投資業界における相関は、2つの証券が相互に動く度合いを測定する指標です。 相関は、高度なポートフォリオ管理で使用され、相関係数として計算されます。相関係数は、-1.0から+1.0の範囲に落ち着きます。

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